世界の髪型美術館〜髪型の歴史〜

いままで語られてこなかった日本史と世界史の『髪型』を徹底的に解説、考察していきます!

江戸時代 5 髷と月代の種類  

みなさんにとって日本の髪型の歴史上、一番最初に思い浮かぶ髪型はなんですか?

 

おそらく『丁髷(ちょんまげ)』!と思い浮かべた人は多いのではないでしょうか?

 

それほどまでに、とても有名で不思議な髪型ですよね!

もちろん現代でやっている人は、ほとんどいないでしょう。

 

f:id:camdentown2012:20190706162435j:plain芸人 お侍ちゃん

 

かつて、江戸時代に黒船が来日した時に、当時のアメリカ人は「頭にピストルをつけているぞっ!」と、とてもビックリされたのは、有名な話です。

まあ今考えても、あの髪型って相当クレイジーですよね…

もちろんあの髪型にしていた国は、世界広しと言えど日本だけです。

ということで、今回はちょんまげの種類についてご紹介していきますね!

種類!?と思われるかもしれませんが、実はいくつかのパターンがあるのです!

江戸時代も260年以上続きましたから、そりゃあ最初と幕末の方でも好みや流行も変わってきます。

 

まずはパーツの名前から、

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ほとんど女性の結い髪と同じ名前ですね!

しいて言えば、月代(さかやき)があるくらいですかね。よって前髪がないということですね。

 

以前にもご紹介しましたが、

camdentown2012.hatenablog.com

茶筅髷(ちゃせんまげ) 、折り髷(おりまげ)は、室町時代から江戸時代初期までされていました。

あえて剃って作る『月代(さかやき)』に関しては江戸時代に入ってからされるようになり、髷のあり方が大きく変わった時期でしたね。(これに関しては次回詳しく解説していきます。)

 

江戸時代に、よくされていた髷の種類は、職業などによっても随分変わってきました。

細かく分けると数十種類あると言われていますが、しっかり髷の『種類』として認定できるものは、実際は少なく感じます。

人それぞれ髪質やクセ、毛量、骨格によっても、同じ髪型であれ違ったものに見えてきますので、今回は分かりやすい種類をご紹介していきます。

 

一般的に思い浮かべる髷こと『銀杏髷(いちょうまげ)』は大きく分けて3種類くらいに分類されます。(年代によっても流行も変わってきます。)

 

1、大銀杏(おおいちょう)

現在のお相撲さんのような大きめの長めの髷

結った髷の先が大きなイチョウの葉に似ていたことからこの名前が決まったそうな。

武士や力士など、力強さや迫力をだしたい方にピッタリ!

f:id:camdentown2012:20190702164856j:plain確かに銀杏に似てる! 

力士 遠藤



小銀杏

商人や町人などが結っていたとされる小さめの髷

上の絵のような感じのオーソドックスなタイプの髷。人当たりのいい雰囲気で、接客業の方や女子ウケを狙う方にオススメ!

(実際に作ってみましたので下のほうの写真で解説します!)

 

本多髷(ほんだまげ)

月代部分を広めにとったり、変則的に剃ったりして作る髷。職人さんや武士等の「男らしさ」や「粋」を演出するのに最適!

f:id:camdentown2012:20190705171302j:plain歌川国芳

 

こちらは、江戸時代幕末時期くらいの実際の写真です。

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かなりガッと剃り込んでますね!ほぼ半分近くは無いですね。本多髷みたいで大銀杏な髷ですね。カッコよすぎ!!江戸っ子感がすごい!(実際は白黒写真ですが、カラーに加工しています。)

 

若衆髷

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 喜多川歌麿

子供の髪型をご紹介した時にも出てきましたが、江戸のティーンエイジャーに流行りのコレ!もはや上だけ剃るって変だよ!(笑)

 

ということで、いくつかの髷スタイルをご紹介してきましたが、意外とこの髷スタイルってバランスいいですよね!トップに髷がある事で、高さがでて、サイドは鬢(びん)の高さでボリュームが調整可能なため、その人の顔のバランスに合わせて作れそうです!なんか見れば見るほど、ちょっとカッコよく見えてきました!

 

よく髷のことを「丁髷(ちょんまげ)」といいますが、この丁髷の言われの由来は、年を召して、髪の毛が細くなり薄くなってくると髷が少ししか結うことができず『』(ちょん)という字に似ていたから老人の髷を揶揄するところから、「ちょんまげ」と呼ばれるようになったようです。

 

髷の形も人それぞれで、剃り方も好みによって変えたりしていたので、違いが分からないようでちょっと違う。なんだか個性というオシャレの美学を感じますね!

きっとこの時代も、髪型にこだわっている男子はモテたんでしょうね!基本的にみんな同じ髪型なので、丁寧にセットすれば美意識が高く見えます。

髪に無頓着な男子より清潔感ある男子は、いつの世もモテます!これにつきますね。

 

ということで、現代の美容師が本気で作ってみましたシリーズぅ!!(久々ッ!)

今回は、先ほどご紹介した『小銀杏』!まあ、ベーシックな髷ですね。

とりあえずご覧下さい!

 

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はい。スゲーーーーーー難しかったです!!作る前は「こんなん簡単でしょう!」と思っていましたが、なかなかバランスが難しいんですよね〜。

あとは、髷の長さの正解が分からなくなってきたり、月代の幅も難しかったですね〜…

もちろん今回も文明の利器に頼りまくって作り上げました。

いやぁ〜当時の髪結い師さん達には感服致します…素晴らしい!!

でも、ほんと楽しかったですわ!

髷ってのは、本当に奥深いですね〜。200年以上もされていた髪型なので、一朝一夕で語れるほど簡単でもないのですが、やっぱ変な髪型だよ!(笑)
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次回は、なぜあの髪型になったのか?いつから月代が始まったのか?について解説していきます!

今まで語られてこなかった月代の本当の真実に迫ります!