世界の髪型美術館〜髪型の歴史〜

いままで語られてこなかった日本史と世界史の『髪型』を徹底的に解説、考察していきます!

仏像の髪型 1 仏像の始まりと仏

仏像にも「髪型」があるのは、みなさんご存知ですか?

この日本に生きていれば一度は見たことのある、慣れ親しんだ仏像

意外とお顔立ちや雰囲気、全体のバランスを見るくらいで、なかなか髪型までご覧になる方は少ないかと思います。

たくさんの方にお聞きすると、「髪型なんてあったっけ?」「どんな髪型だっけ?」という回答がほとんどでした。

 

そうなんです!しっかりとみんな「髪型」があるんです!しかも、結構攻めた髪型してるんです!!

ということでまずは、簡単にですが仏像と仏教の説明からしていきましょう!

 

仏というのは、現在のネパール、当時のインドで紀元前500年前後(諸説あります。)に釈迦は生まれ、後に真理の悟りを開き、仏陀になりました。そこからアジア圏に『仏教』として広まっていった宗教です。

ちなみに仏陀は80歳で入滅したそうです。(亡くなったそうです。)

そして、仏像が造られ始めたのは、仏教ができてから500年以上も後のことだったそうです。

意外ですよね!?てっきりすぐ造られ始めたのかと思ってました!

『仏像』の起源も、これまた諸説あるらしく未だにバチバチの論争になっております。

どうやら、「ガンダーラ起源説」と「マトゥラー起源説」のどちらかという感じになっているらしく、両方ともに1世紀中頃に造られ始めたと言われております。

 

んん?よくわかんなくなってきた…(日本だと弥生時代

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ガンダーラ仏像の特徴は、ギリシャ彫刻の影響を受けてか、リアリティのある作品が多そうです。顔は彫りが深く、髪型は波状毛(長めのくせ毛感)トップでまとめておだんごにしていますね。

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2~3世紀頃、イケメンですね〜!

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こちらは何かを被ってますね〜。冠かな?。。。ん?なんかこんなゴチャっとした感じの冠、どこかで見たことあるような…土偶の被ってた冠に似てる気がする。

  

マトゥラー仏像の特徴は、ガンダーラとは対照的に、丸顔で、目を大きく見開くような目つき、顔立ちは優しそうなインド人風の雰囲気ですね。あと使っている石の素材も違ったそうです。

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髪型はと言いますと、何か頭の上にニュルッとありますね。

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 拡大してみました。

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何かがやっぱり乗ってます。う◯こ??いや、ソフトクリームかな?

おそらくガンダーラとは違って、トップにまとめてニュルッとネジネジしたのかな!?

巻貝型とても斬新ですね。

そしてこちらは、

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3〜4世紀くらいに作られた仏像です。

ついにきましたね〜!螺髪ッッ(らほつ)!!これがあの有名な奈良や鎌倉などの大仏さまの髪型の原型ですね!

この頃から、現代まで続く、螺髪の髪型の仏像が造られ始めました。

よ〜く髪を見ると、全て右巻きぃぃー!そうなんです螺髪は右巻きなんです!

一つ一つが実はすべて右巻き状になった髪型になっています。

大元の上のソフトクリームの髪型も右巻きです。最初は大きめの右巻きが一つだけだったんですね。

そしてこちらが、西暦752年ごろ完成の

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奈良の大仏こと、東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう)

迫力ありますわ!すごいっす!!

 

どちらかというと、マトゥラー仏像の方が日本に馴染みがありそうな気がしますね。

っていうか、最初にこの螺髪という髪型考えた人マジですごい!斬新な発想すぎます。

 

というわけで、決して仏陀の髪型を忠実に再現したのが、「仏像の髪型」というわけではなく、仏陀が入滅してから500年以上も先になってから、仏像が造られ始めたということですね。

もちろんこの頃には、仏陀に会ったことがある人はいません。想像や教えのみで語られていた、「仏」という偶像が心の拠り所になっていたのかもしれませんね。

しかし、この頃から語られている仏陀の『三十二相八十種好』(仏陀の32個の大きな特徴と80個の細かい特徴)は、そのまま解釈すると、まるでこの世の者とは思えない恐ろしい生物になってしまうのですが、当時の仏師のイイ感じの解釈によって今日も人々に愛される仏像になったのでしょうね〜。(そもそも仏陀は剃髪だったらしいですけどね。まあお年も召していましたしね。)

 

今回は、仏像の成り立ちをざっくりとですがご紹介させていただきました。