世界の髪型美術館〜髪型の歴史〜

いままで語られてこなかった日本史と世界史の『髪型』を徹底的に解説、考察していきます!

仏像の髪型 2 髪型の種類を徹底解説!

今回は仏像の髪型の種類についてご紹介していきます!

まずは、前述でお伝えした「螺髪(らほつ)」から解説していきます。

 

通称パンチパーマ!ですね!

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あっ!コレじゃない!

  

こちら!

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マトゥラー仏像

螺髪は、1つ1つが「右巻き」に造られています。

ほとんどの螺髪の仏像は、右巻きなのですが、一部例外の仏像もいたりします。

有名どころだと、鎌倉大仏さまですね。

これがなんと左巻きなんですね〜!実は、なぜなのかわからないそうです。発注ミスですかね…

まあそんな細かいことはどうでもいいんですよっ!!カッコイイんですもん!

(ある地域によっては、人を馬鹿にするとき「左巻きなんだよぉ!」と言うそうです。語源はココみたいです。)

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諸説あるのですが、本当に仏陀は右巻きの天然パーマだった説もあるようです。ただ、ここまでクルクルくせ毛の人ってインド人にはいないんですよね。「三十二相八十種好」を加味するともしかしたら仏陀は黒人だったのかもしれませんね。

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ウィルスミスの息子こと、ジェイデンスミス

 

ちなみに大仏さま等の仏像の頭の形にも意味があります。 

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大体の大仏や仏像にあるトップの膨らみを、『肉髻(にくけい)』と言います。

脳が膨らんで頭が高く盛り上がったのを表現しているようです。物事をあるがままに把握し、真理を深くまで会得し認識できる脳だからだそうです。深いですね。

 

『肉髻珠(にくけいじゅ)』肉髻と頭の間の丸い物

肉髻珠は、仏像によってはない物も多いのですが、通常は水晶が付けられています。

水晶の下に朱色に色をつけ、朱く光るように造られているそうです。まさにインド人のような感じでしょうね!智慧が発する光を表現しています。

 

『白毫(びゃくごう)』

 仏像の額にある、4.5センチの1本の毛を表現した突起物です。

 仏の慈悲の光が全世界へと届き、悩み苦しむ人々を、見えぬところまで見抜くことのできる、力を意味しているそうです。

1本の毛スゴすぎぃ〜〜!!

とりあえず仏様の能力値がハンパじゃないことは理解できました。

 

 お次の髪型はこちら!(ざっといろいろ紹介していきます。)

『剃髪(ていはつ)』

お地蔵様でとても有名ですね!一番身近で馴染みがありますね! 

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地蔵菩薩像 法隆寺(奈良)9世紀

 

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 京都六波羅蜜寺 空也上人像 鎌倉時代

口からなんかでてるぅ〜!(念仏を唱えたら六体の阿弥陀がでちゃったみたいです。)

 

『垂髪(すいはつ)』

菩薩像などに見られる髪型

髪を両側に束ねるスタイル(今で言うツインテールですね!)

この菩薩像は、両方に分けてさらに三つ編みっぽいアレンジをするという遊びも効かせてますね!(注 三つ編みしてない仏像もたくさんあります。)

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後ろ

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上海博物館 菩薩石像 7〜8世紀

かなり高度な髪型ですね!

 

ちなみにこちらは、左右の襟足部分からストレートに垂れているだけになっていますね。

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百済観音(くだらかんのん)飛鳥時代法隆寺

 

『宝髻(ほうけい』

宝髻という髪型は、細かく分類するとたくさんの種類あります!

日本にある仏像のほとんどは、この髪型をしていることが多いように感じます。

一挙ご紹介します!

 

「単髻(たんけい)」

髪を頭頂部で一つに結んだスタイル(現代でいう、おだんご) 

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アップで。

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単髻にして冠をかぶってる仏像も多いですね。

 

「双髻(そうけい)」

その名のごとく、2ヶ所に結んだスタイル(おだんご2個、現代でいうミッキースタイル) 

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アップで!後ろ

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弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゆいぞう)飛鳥時代 7世紀?

やはり襟足は、垂髪でオシャレに遊びを効かせてますね!

 

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善財童子像 鎌倉時代 奈良

横にしすぎたミッキーかな!?でも雰囲気あって素敵ですね!


「五髻(ごけい)」「六髻(ろっけい)」「八髻(はちけい)」

5〜8箇所を結んだスタイルあります。(もうわけわかんないっす。)

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制多迦童子 京都 霊宝館

後ろの写真がなかったんですけど、後ろも一つ結んでいるので 五髻のスタイルですね。

 

「三山髻(さんざんけい)」「五山髻(ござんけい)」など

単髻の変則アレンジで、単髻で結んだ後に、三条(五条)に分け山型にセットされたスタイル(髪の毛遊ぶねぇ〜。) 

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アップで!ギザギザしてますね〜。五山髻ですね!

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 広目天像(こうもくてん)奈良県

 イケメンやなぁ〜。

 

「垂髻(すいけい)」

 単髻に似ているスタイルで、高さを出していくスタイルです。

(髪の毛の根本とすぐ上くらいを2箇所結ぶスタイルですね。単髻等は毛先をクルッと丸くおだんごにするが、垂髻は毛先をそのまま下ろしている。)

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阿修羅像 奈良時代(734年) 興福寺国宝館
 

「高垂髻(こうすいけい)」

さらに高さを出していくスタイルです!垂髻との境界線はとても曖昧なのでとにかく高ければ高垂髻と言っていればokだと思います!

た、た、高い!!

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 大日如来像 鎌倉時代 石山寺

 

「焔髪、炎髪(えんぱつ)、怒髪(どはつ)」

 不動明王や風神、雷神などに多いスタイルで、髪の毛が炎のように逆立っているように表現している。怒髪天とはこのことかもしれません。 

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蓮華王院 三十三間堂 雷神

か、か、か、カッコイイぃ〜!
 

ということで、ざっと「髪型の種類」についてご紹介してきましたが、本当に仏像様にもたくさんの髪型がありますね〜!

もちろんここに紹介しきれない「不思議な髪型」「おもしろ髪型」が たくさんあります。

これから、お寺や博物館などに行かれる際には、是非髪型も注目していただけると、より面白さが広がると思います!

 

仏像は、製作された時代やら流行りによって変わっていきます。

その時々で創られる仏像(髪型も)は、創り手の情熱によって、何か時代をも超越し、魂を込められ、現代までカッコよく、そして美しく残るものだなと改めて想いました。

 

情熱って大事だよ。

 

次回は、私のお気に入り仏像こと、不動明王について、詳しく解説していきます!